大規模リフォームを考えるときには、よく「見積りを比較した方が良い」というアドバイスが書かれていることがあります。
店で売られている商品は、ブランドであったり性能であったり、
何がしかの比較対象になる指標があったりします。
もちろん、建築の世界にもブランドは存在する訳ですが、
提供される商品が、建築の場合には一定ではないため、比較するのは意外と難しいことだったりします。

さらに、リフォームという工事内容は、
元々の家の状態をどう判断するかによっても当然価格は違ってきますし、
場合によっては提案のアプローチそのものが会社によって全然違う・・・なんていうことも考えられたりするのです。
そして、厄介なことに仮に同じ会社であったとしても、担当者によっても大きな差が出てしまうという、
事態をさらに難しくさせる要素があったりするのです。

では、見積りの比較とはどうしたら良いのでしょうか？
実は、各社見積りの形式は様々です。
上記のような考え方の違いが、当然見積りの表現方法や価格にも反映されます。
つまり、例えば似たような２社の見積りを並べて見比べたとしても、
結局どっちがどうなのか、というのは表紙に書かれた総合計金額以外に
なかなか判断することは難しいのです。

見積書を見て判断するのが難しいとすると、
何をもって比較するのが良いのでしょうか。
細かい工事内容が見積書を見るだけでは分からない以上、
一番比較するべきなのは、どんな提案をしてくれるのか、というところかもしれません。
それは間取りをどうするか、ということ単純なものだけではなく、
提案してくれる人の考え方とそれをどう伝えてくれるかというところまで含めての話です。
オーバースペックな提案でも困りますし、逆に必要なことが抜け落ちていたり
こちらの暮らし方に共感できていないような提案では、やはり安心して任せることはできません。
間取りの提案に「想い」が込められているかどうか、
工事のやり方・進め方が分かりやすく説明されているかどうか、
といった部分が実は非常に大切だったりするのです。
その過程をしっかり比較して見極めることが重要です。
むしろ、その中に気に入った業者を見つけた場合、
その業者に初めて予算を提示して、その範囲内で改めて提案してくれるように頼めば良いのです。

近頃の買い物の仕方は、どうしても横並びで価格を比較する傾向が強くなっているような気がします。
しかし、暮らしを変えていこうとするリフォームの提案というものは、
単純に横に並べて比べることはできません。
だからこそ、それを作ってくれる人とのコミュニケーションを大切にし、
より良いものを造ってくれる期待値の高い人を選んで任せなければならないのです。
簡単なことではありませんが、よい業者・よい担当者に出会えたときには
その後の暮らしが本当に満足できるものになりますので、ぜひ頑張って見きわめて欲しいと思います。

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