資格だけで選んではいけない
資格だけで選んではいけない
リフォームの業界では、もちろん全部の会社とは言えませんが、
「営業」と「設計」の業務をひとりでこなすケースが多くなっています。
これは、リフォームの場合には様々な規模の工事があり、
特に小さな工事の場合には、あまり人件費をかけられないという事情があります。
また新築と違って、
現状の建物の状態や構造体を見極めた上で計画をしていく必要があるため、
営業が設計を兼務するというスタイルが一般的になっているということもあります。
その際に担当者が資格を所有しているかどうかは、
リフォームの満足度に影響を与えるのでしょうか?
これを考えるには、「何をもって満足するのだろうか」ということを
まず考えてみる必要があります。
例えばそれが、
「自分の想像を超えた仕上がりに満足した」ということだったり、
「関わった人たちの熱心な対応に満足した」だとか
「出来上がってみて使い勝手のよさに改めておどろいた」などといった場合には
おそらく、心から「よかった~!」と思えるのではないでしょうか。
人が満足するときというのは、
良い意味で自分の想像を超えるものがあった場合に起こるものなのかもしれません。
そうして考えると「資格がある人に担当してもらえたから満足した」というケースは
もちろん無いとは言えませんが、
担当者の資格はあるに越したことはありませんが、それだけでもないと言えます。
例えば、大手のリフォーム会社には独自のルールや施工基準などが用意されています。
営業と設計を兼務する担当者が、無理な計画で契約しようとしても、
実はその前に会社のチェック機能がはたらけば、必ず計画は修正されます。
無理な工事をすることで、
後々に問題が発覚すると、それこそ会社にとって致命的なトラブルrになりかねないからです。
資格の有無とはその会社にこそ必要性があって、
実は担当者レベルでは必ずしも必要とは言い切れません。
それよりもこちらの意向をしっかりと汲み取ってくれて、
それを実現させるすばらしいプランを提案してくれる人の方が、きっと満足できるでしょう。
資格とはあくまでもその担当者の力量を判断するひとつの指標に過ぎず、
他にも経験年数や実績といった有力な指標があるはずなのです。
ただし、規模の小さなリフォーム会社になってくると、少し事情は変わってきます。
建築業法では500万円未満の請負工事については、建築業の許可という行政の許認可も一切いらず、
極端に言うと、誰にでも工事を請け負うことができます。
そして、規模の小さな会社そのものにこそ、施工基準がない場合が多いからです。
ですから、その担当者や工事の管理をする人に
違法性や構造の不具合などを見抜く力が必要になります。
(もちろん会社側にそれを守ろうとする意志があってこそではありますが)
施工基準のない会社に依頼して、適当な工事をされたとしても、
残念ながら建築には見えない部分が山ほどあり、それをすべて見抜くことは難しいのが現実です。
そういうところにこそ会社の姿勢が表れるものです。
ですから、全面的なリフォームや大規模リフォームともなれば、
ある程度しっかりした規模の会社に依頼されることをお勧めします。
そして、しっかりした会社の担当者を「資格」という指標だけでなく、
実績なども聞いていきながら選んでいくと失敗は少ないのかもしれません。
判断する要素が分からないだけに、「資格」というところに目が行きがちですが、
そこでは計りきれない要素が多いことを知っておきましょう。
Kousuke Kitamura
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