提案まかせにしてはいけない
提案まかせにしてはいけない
一般の多くの人にとって、建築に関する知識というのは縁遠いため、
ついついリフォーム会社の提案任せになってしまいがちですが、
それだけでは、失敗をしてしまうケースがありますので、お伝えしたいと思います。
今回は、分かりやすくするために「窓」の話をします。
全面的なリフォームの場合は、間取りの変更を伴うことが多いので、
窓の位置が移動したり、形状が変化したりすることがよくあります。
例えば窓を取り替えると、そのサイズや位置が変わるだけで、
同じ空間でも明るさや雰囲気が劇的に変わる場合もあります。
今まで見えていなかった向かいの公園の緑が見えるようになったり、
窓を大きくすることで見通しの良いリビングに変わったり、ということが起こります。
ところがプランニングの段階では、どうしても内部の間取りを中心として提案やお話が進みます。
使い勝手はどうか?水廻りの場所はそこでいいのか?といった感じです。
そのときに配置によっては、
お隣の窓と向かい合わせの位置に窓が来て、開ける時に目が合って気まずい思いをしてしまったり、
外から家の中が丸見えになってしまったり、ということが起こりかねないのです。
家のプランを決めるときには、どうしても中の使い勝手を優先としてしまうのは仕方ないのですが、
ある程度、部屋のレイアウトや形状で、納得のできるプランが出てきた場合には、
一度、外から見たらどうなんだろう?
その窓の位置で視線は気にならないだろうか?
ということを確認しておいた方がよいかもしれません。
アルミサッシの窓そのものは、様々な形状のものが販売されています。
たとえ同じ位置であっても、配置自体を高くしてみたり、逆に低く設置してみたり、
ということで外からの視線を回避することもできます。
こうした部分については、
すべての担当者(建築士であっても油断はできません)が
しっかりと配慮して設計しているとは限らないのが実情です。
また、それを単純に「ミス」として片づけてしまったとしても、
窓を取り付けてしまってからの修正というのは、トラブルになり兼ねません。
提案内容を疑う、という訳ではありませんが、その家のことを誰よりも知っているのは、
やはりそこに住んでいる人であるのは間違いないのです。
例えば、「ここはどうなりますか?」と質問を投げかけるだけで、
相手は「はっ!」と気づくことがありますから、
遠慮なく質問してみる様にしましょう。
良いコミュニケーションが良い家づくりにつながるのは、
私たちの経験上においても間違いのないことだと思います。
Kousuke Kitamura
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