耐震診断のために必要なこと
耐震診断のために必要なこと
木造住宅の耐震診断をするためには、まず建物をしっかりと調査しなければなりません。
実は耐震診断の方法には、大きく分けて2つの方法があるのですが、
診断の時点では、壁をめくったりしての調査は難しいことが多いので、
「一般診断」と呼ばれる、ある程度目視で判断していく診断方法が取られています。
ただし、それでも調査は十分に行うことが必要です。
建物の寸法、壁の種類や開口部の位置、劣化度合い、基礎の状態、屋根の種類や状態など
現状の様々なを把握することが前提になります。
参考として、どの様なポイントを見るのかをいくつか挙げてみます。
・建物の寸法
耐震診断としては、主に柱と柱の間の間隔が重要になります。
建物によっては一律でないことがあったりしますし、間隔が91cmを下回る場合には耐力壁として計算できないことがありますので、
正確に診断する上では、きちんと建物寸法を把握することが必要になります。
・壁の種類
一般診断においても、壁の仕上げ材や下地材がどの様なものになっているかが耐震評点に影響を与えます。
外壁の場合には、モルタルの厚みやサイディングの種類、部屋内の壁は石膏ボードとその留め付けの方法によっても数値が変わります。
・開口部の位置
窓や入口がある部分については、壁としての耐力は計算できません。
開口部の位置はもちろん、その大きさも影響しますので、開口部のサイズも計測が必要となります。
・劣化度合いについて
建物の形状や壁のバランスだけでなく、耐震診断には建物の劣化度も診断の要素として必要となります。
外部の水仕舞がきちんとされているか、塗装の傷みや壁のひび割れなど、内部に影響を及ぼす劣化がある場合、評点は最大で3割減点されます。
・基礎の状態
耐震診断そのものは、木造の骨組み部分についての壁量とバランスの診断を行うものなのですが、
基礎の状態によって、計算の基準が変えられることになっています。
例えば、無筋(鉄筋が入っていない)コンクリートの基礎の場合や、ひび割れがある鉄筋コンクリート基礎の場合など、
その分割り増しで補強計画を実施することが必要になります。
耐震診断の精度に大きく影響を与える部分でもあります。
・屋根の種類や状態
屋根の状態については、先ほどの劣化度に反映されるのですが、ここで重要なのは屋根材の種類を指します。
屋根材の種類によって、重さは大きく変わってくるのですが、建物自体の重量と家の上部にあたる屋根の重さは、特に大きく診断に影響を与えます。
瓦屋根の場合には、下地に土が乗せられている場合もあるため、専門業者による屋根調査が必要になります。
耐震診断とは、こうした既存の状態をしっかりと把握し、きちんと条件設定をした上で
現状の家の強さと本来必要な強さ(建築基準法上で決められています)を比較し、それを数値化したものが耐震評点となるのです。
つまり、耐震診断をするためには、講習を受講した診断のできる人に調査をしてもらい、
その上で計算をしてもらうということになります。
耐震診断はこうしたしっかりとした調査が必要になりますので、基本的には有料となりますが
各行政によってはその費用の大半を助成金として用意しているところも多くなっています。
(行政によっては助成金の用意が無いところも有ります。また、前年の予算が余ってしまった場合など、毎年4月に耐震助成金をどの程度予算どりされるかが変わりますので確認が必要です。)
さらに、耐震補強を含めてリフォームを考えている場合には、
大手のリフォーム会社では調査を含めて耐震診断を無料で行ってくれることもあります。
(間取り変更を含めたリフォームの場合には、むしろ耐震診断をしながらでなければ適切な計画はできません。)
耐震診断をしてもらうと、現時点の家の地震に対しての強さが分かるということと同時に
家の老朽化の程度や床下、屋根、実寸法なども改めて詳しく把握出来ることになります。
お家がある程度古くなっている場合にはぜひ一度、耐震診断をされてみてはいかがでしょうか?
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