古民家ならではの部材を見せる
古民家や旧家と呼ばれる伝統的工法で建てられた昔ながらの家には、
今の木造住宅では使われないような大きな柱や梁が用いられています。
大黒・中黒・小黒と呼ばれる柱には30㎝を超えるものもあったりします。
また、屋根をささえる梁として使用される部材には、大きな丸太が利用されていることも多く、
その築年数に比例して劣化しているというよりむしろ、硬く引き締まって強さが増していることさえあります。
実際に古い梁材などを加工しようとしても、すっかり硬くなっていて
なかなか鋸の刃が入らないということもよく耳にします。
このような大きな構造部材というものは、今では入手することも難しくなっており、
できればそのまま利用して、さらに古民家ならではの良さを引き立たせるためにアクセントとして利用したいところです。
ところが、古民家とは概ね築年数の古い建物が多く、
その歴史の中で既に何度かリフォームされていることもあります。
特に和の暮らしから洋式へと大きく変化をした戦後に触られた家の場合、
梁や柱が隠されて見えないようになっていることもしばしば見受けられます。
古いものから決別しようとする風潮だったのでしょうか、
新建材が多用され、天井は塞がれ、座敷以外の家族のスペースは洋室へと変えられていきました。
いま、古民家リフォームで古い部材を見せようとするときには、
このように天井や壁がふさがれて見えない状況の中で計画していかねばなりません。
隠れている梁が元々見せるように美しく化粧されたものであればよいのですが、
元々から見えない部分として使われた部材は決して美しくなかったりします。
結局は工事を始めて、天井や壁を解体して初めて、どのように部材を見せるかという
具体的な計画が立てられることも多いのです。
大切なのは、やはり古民家に対する実績が多く、ある程度問題を想定して計画を立ててくれる業者であること、
また、工事が始まってからも実際の部材の位置や状態を的確に判断をして、
より良く我が家を甦らせてくれる知識とセンスをもつ営業や設計あるいは工事担当者と出会うことができるかというところになります。
古民家のリフォームというものは、一般の住宅よりもさらに業者・担当者の選び方が重要になってくるというところをぜひ知っておいてください。
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