古民家の二階の使い方
古民家は地域や時代によって、その造りが異なっていることがあります。
そこには先人の暮らしがあり、知恵があり、様々な変化や事情を見て取ることができるのですが、
一部には二階の天井高さがとても低いケースあります。
すると、そのスペースが物置になっていたり、まったく使われていなかったりすることも多々見られます。
そこは元々、農機具を保管したり、養蚕に使われていたりと
本来の生活そのものとは少し違った用途で使われるためのスペースであり、
当時の暮らしの中では必要かつちょうどよい形となっていたのです。
ところが、現代の暮らしの中で、この「使われていない二階」を無駄にする手はありません。
古民家のリフォームは特に、なんでもかんでも新しいものに変えればよいという訳ではないでしょうから、
古い家特有の広い座敷や床の間・仏間などはしっかりと残されることが多く、
家の広さの割に家族の生活スペースが少ないということもあるのです。
そういう場合に、生活の一部を二階スペースに移し、上手に使っていくこともできるのです。
登り梁や大きな母屋などの構造部材を上手に見せて演出し、
高さの低いところには、家具や収納などを工夫して配置できるようにしたり
思い切って下の階からの吹き抜けを設けてダイナミックに間取りを変更することもできるでしょう。
ところが、こういった古民家再生のノウハウというものは
実際に古民家のリフォームをいくつも手掛け、実績のあるところにしか提案ができなかったりします。
ただ単に新しくなれば良い、という類のお化粧直しであれば必要ないかもしれませんが、
古き善き伝統の住まいをその価値も含めて再生させてあげるには、
やはり何がしかの見せ方・演出は必要になるでしょう。
家族の生活が格段に良くなるような間取り、
遊びに来た友人や親せきが、驚きの声を上げるような古民家ならではの演出。
そのどちらもが高い次元で実現できたとき、
その古民家は家族の満足と共にまた命を吹き込まれることになるのです。
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