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大規模リフォーム 定額制とは

大規模リフォーム 定額制とは

「定額制リフォーム」をご存知でしょうか?
大手のリフォーム会社の中には、「定額制リフォーム」をうたっているところもあります。
この「定額制」とはいったいどういう仕組みなのでしょうか。
内容を分かりやすく説明してみようと思います。

一般的に建築の業界では見積りが複雑になっています。
「建築」の業界では昔からそうなのですが、見積書は非常に複雑なものになっています。
というのも、建築はたくさんのパーツからできており、
さらに人の手で現地でつくりあげるという特性からきています。
つまり、ある工事を仕上げるためには、材料がどれぐらい必要か、
また、何人がかりで何日かかるものだろうか、というのを経験値を踏まえて数量化していく訳です。
それが工事の種類や場所ごとに計算していくことになりますので、
膨大な資料が出来上がっていくことになります。

例えば同じように自動車も、実は数多くのパーツからできています。
ところが、造ってから移動させることができるものであれば、
全部まとめた値段で一台いくら、という価格設定ができる訳です。

ところが、家やビルを工場で造って運んでくる訳にはいきませんから、
さきほど書いたように、材料費と現地へ運ぶための運搬費、
そして現地で材料を組み立てていく人件費など、諸々の費用が必要になるのです。
また、家や建物などの形状や立地条件、そして仕様はひとつひとつ完全に違うものですから、
どこかでまとめて造ってしまって全体でいくら、というのはなかなか困難です。
したがって、見積書の表記としては、例えばフローリング○㎡、大工工事○人工と聞きなれない単位や
数字がずらーっと並ぶ形になります。
結果として、建築の知識のない一般の人がそれを隅々まで理解するのは至難の技です。

そこで登場してきたのが、定額制のリフォームということになります。
定額制のシステムとは、建物の大きさに合わせて全体のリフォーム金額が分かりやすく提示されるというもの。
もちろん、会社ごとに仕様は異なりますが、
概ね屋根・外壁・水回り一式、そして内装全般を含めた全体リフォームの工事が、
1・2階をあわせたお家の大きさ(延べ床面積といいます)に応じて
分かりやすく決められているという特徴があります。

この定額制のメリットは、やはり「分かりやすさ」にあるでしょう。
あらかじめ決められた工事内容・仕様が前提とはなりますが、
全体でいくらになるかという一番気になる「価格」を早い段階で把握することができます。
少しずつ要望を積み上げて、最後にびっくりする値段になることを考えると、
「何をしたいのか」にしっかり焦点を当てて予算をコントロールしやすいというところが
人気が出ている理由なのかもしれません。

それとは逆に気をつけた方がよいケースも見られます。
まずは前提となる「定額」の仕様の中にどのようなものが含まれるのか、
どんな工事をしてくれるのかが、明確でない場合です。
もし、あいまいなままで定額をうたわれても、
結果「だいたいこんなものです。あとは工事してみないとわかりません」ということで、
全体で一式いくら、という見積りを出されているのと大差ない形になってしまうのです。

特にリフォームの場合は工事が始まった後に悪い部分が出てくることも
頻繁にありますので、どこまで定額に含まれるのか、
不測の事態にどこまで対応してくれるのか、
事前に確認しておいた方がよいでしょう。

もうひとつは自分の要望している工事内容が、
元々の仕様の中に含まれているものなのか、それとも標準的でない、
オプション工事に該当するのか、が分かりにくい場合です。


どうしても工事内容が標準なのか、オプションなのかに分類されることになりますので、
全体像はつかみやすくても、部分的には見えにくいところも出てきます。
そもそもの要望がどちらかにきちんと盛り込まれていることを確認しておかなければなりません。
特に、定額制にすることで、逆にオプションの対応に制限が出ている可能性もありますので、
気をつけなければなりません。
要望に対して対応できないのに、なんとなく全体金額が出ているから、ということで
うっかり判断をしてしまうと、トラブルの元になりますので、
まずは、そもそも希望内容が対応できる会社なのかを事前に確認しておくことも必要でしょう。

あこがれのイメージがあるのに、決められた仕様でないからという理由だけで
あっさり断られてしまっては、本当に満足なリフォームができるとは思えませんよね。
各会社の施工体制についても事前に担当者に聞いてみるなど、
しっかりと確認しておくと良いでしょう。

それからもうひとつ、
意外と注目されていないのですが、定額制の設定では、床面積に応じて単価が違ってくるのですが、
大きさによっては一律でくくられてしまっている場合があります。
例えば20坪から25坪までは一律600万円という価格設定だったとします。
すると20坪の家の人も600万円。25坪の家の人も600万円。
単純に考えても比較すると20坪だと損してしまいます。
また、逆に極端に大きな床面積の家の場合、当初の単価設定で想定していない大きさのために
かえって高く設定されてしまうことも無いとは言い切れません。
大きさ別単価の損得だけにとらわれ過ぎてもいけませんが、
やはり気になるところは確認しておいた方がよいでしょう。

定額制リフォームの良い点・注意すべき点を書いてみましたが、
大型のリフォームを検討する場合には登場する機会が多くなったリフォームの方法です。
いずれにしても疑問に思ったことや、決められた仕様の中身については
しっかりと質問して判断していくことが大切です。
後で後悔しないように、しっかりと検討したいですね。

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