住宅の全面リフォーム 暖房のこと
暖房器具の種類をどうするか。
一見全面リフォームの計画の中で、
大きな問題ではないような気がすると思います。
ところが、暖房器具は使う器具によって様々な特徴があり、
ある程度考慮しておいた方がよいと思います。
というのも、今まで多くのお客様とお話ししてきましたが、
「暖房はこれ」というポリシーをお持ちの方が意外と多くいらっしゃいます。
一番暖かい、とか早く温もるとか、それぞれに理由はあると思いますが、
実は使う器具によっては換気が必ず必要になったり、
大量の水蒸気を発生させることでカビや結露の原因になるという特性があるのです。
例えばガスや石油系のような燃焼させるタイプの器具は、
二酸化炭素と水蒸気を発生します。
今は少ないかもしれませんが、昔ながらの石油ストーブでは、
上にやかんを置いてお湯を沸かしてさらに水蒸気を発生させたりもします。
古い家のつくり方では、家の中には空気が流れる隙間がたくさんありました。
ところが昨今の住宅の内外装は、気密性が格段に向上しているために、
水蒸気が逃げ切れず、窓や壁の中で結露を起こします。
これがカビの原因になったりするのです。
「元の家で使っていたから」といっても、
全面リフォームをすると家はまったく新しいものに変わります。
使い方も今までと変わる部分もあるのです。
ですから従来の暖房機器を使う場合は、
きちんと換気について考慮しておく必要がありますし、
結露対策もしっかりしておいたほうがよいでしょう。
あるいは環境を変えて、新しい暖房器具
(例えば電気や温水による床暖房など)を検討してみてもよいかもしれません。
暖房器具は夏の冷房に比べて種類があり、
それぞれに設備の準備が必要になったりしますので、
しっかりと事前に計画しておくことが必要なのです。
最近の冬はかなり冷え込んでいますが、
これから全面リフォームを考える方はぜひ検討してみてください。