大規模リフォームの際の足場
屋根や外壁の工事を伴うような、大規模なリフォームの場合には
家の周囲に足場と呼ばれる鋼製のパイプが張り巡らされます。
これは読んで字のごとく、職人さんが作業するための床が設置されるという訳です。
足場が必要になるかどうか、という点では外壁と屋根や雨樋のような外回りの工事には不可欠であることは容易に想像できます。
ところが、屋根や外壁の工事が無くとも足場が必要になるケースがあるのです。
例えば、窓の取り替えです。
木造住宅用のサッシは特に、外側から取り付けをしている構造のものが多く、
基本的に外側からしか作業できません。
また、サッシを単純に取り付けするというだけでなく、その周りの外壁に対する防水処理や
板金などの金物を取り付けたりするのには、やはり職人さんが外側から作業をする必要があるのです。
足場が必要になるかどうか、という観点で必要でない場合との差を考えると、
やはりコストの違いが分かりやすいかもしれません。
足場に代表される「仮設工事」と呼ばれるものは、
建物の建築上必要であるが、完成後には必要なくなるもの、と考えると分かりやすいでしょう。
出来上がった後に、全く必要がなくなるものに対してお金を支払う訳ですから、
それだけの理屈では、安ければ安いに越したことがないということになります。
では、本当に「後に残らない仮設費用」は、安い方が良いのでしょうか?
実は足場にもいくつか種類があり、先ほど挙げた金属製の足場以外にも
丸太を使った足場なども存在しています。
しかし、足場において大切なのは、
「そこで作業をする人たちの命を守る」ことを一番の目的として安全上の様々な基準を守って設置されているのです。
それがいくら後に残らない費用だからといって、簡略化されて良いものでしょうか。
自分の家で職人さんが大きなけがをしたりすることが、喜べることでしょうか。
どのような足場を組むかだけでもその姿勢が見え隠れします。
また、足場が掛かることで自分の家が工事現場として周辺の地域には認識されます。
「何をやっているんだろう?」
近所の人たちは興味津々で家の様子をうかがいます。
大手のメーカーになればなるほど、周辺への広告も兼ねて、宣伝用のシートを張ったりもします。
要は足場は「これだけしっかりとやっています」という近隣へのPRも兼ねているのです。
足場がきちんと設置されていない現場というのは、残念ながら綺麗に整頓されているということはあまりありません。
高すぎる仮設費用はまた問題がありますが、
どのような仮設工事をおこなって、どれぐらいの金額が必要なのか、というところも
しっかりと計画の説明を受けておくべきでしょう。
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