新築や建替えと異なり、リフォームは『既存の建物を活かす』ことから、
正確なプランや見積もりを得るために、『現地調査』が必要になります。

図面のみでも大まかに教えてもらえる事もありますが、
大抵の業者では、先ず現地を見させてもらわないと、、、という返答が多いと思われます。

リフォーム、ことさら大規模なリフォームとなりますと、
既存の建物の老朽化の程度や、２階が乗っているいる範囲・柱の位置等の
構造的な理由から改装プランの実現可否など
大きく影響を受け、実現できないプラン提案になったり、
老朽化の改善を見込んでいない安すぎる見積もりとなり、
後になって大きく追加見積もりを提示しなくてはならなくなってしまうことを
避けたいというのが業者側の理由かと考えられます。

先ず、現地調査ではどのような事をするか、についてですが、
業者によって異なりますが、概ね以下のことを調査します。

・間取り（壁の配置や距離、窓や出入口などの開口部の大きさ）

・内外装の劣化状況（外壁のクラックや、内壁の壁、床のたわみ等）

・床下（基礎や土台の状態、湿気やシロアリの生息の有無）

・屋根（瓦の表面や、下地の防水の状態、雨樋の劣化状況）

・傾き（床や柱の傾き具合）や屋根裏の構造

その他にも、現地では図面の有無の確認や、写真撮影をしますし、
役所などで法規的な調査を行ったり、登記上の面積や所有者を確認したりされるケースもあります。

これらの調査の結果を基に耐震診断や、報告書の作成をしてくれる業者もいます。
自己の財産（不動産）を綿密に調査してもらえることは大変有意義でもありますし、
業者側からすると、後の保障や正確な提案・見積もりをする上では重要な事になりますので、
かなりの労力とはいえ力を入れて調査にあたります。

業者にもよりますが、調査が有料であったり、無料でしてくれるところもあります。
調査した結果はしっかりと教えてもらうことが大切です。
建物の劣化状況や、耐震性、法律上の規制などの報告を受けます。
そして、それらの改善提案は会社によってスタンスが異なります。

例えば、ある会社は「傷んでいるところを徹底的に取り換えることを提案」し、
また別の会社は「予算的にも膨らむので、ここはあまり手をかけないで良い」と説明したりもします。

建築主からすると、どちらを信用するか？が分からなくなってしますケースがあります。
安い方が良いけど、後々に構造的な不安が残るのはイヤですし、
新築みたいになるけどもとんでもない金額で過剰にしてしまうのも無理です。

以上が、現地調査の流れや調査後の報告などの概略です。
出来るだけ複数社の調査報告、意見を取り寄せて真偽を比較したい場合、
業者の提案や見積もりは、調査結果に基づきますので、
調査自体をしっかりやってくれているか？
調査した結果をしっかり把握した上で、正しく説明がなされるか？
により、信用度が変わってきます。

もちろん、生活スタイルや趣味趣向など、実際に生活する家族の身になって、
生活しやすいプランや設備設計を提案してくれることも重要です。
しかし、リフォームでは既存の構造に左右されて起こり得る、
設計変更や追加金の発生などのリスクに備えなくてはなりません。
ですから、図面だけで当てはめて完成の素敵なイメージのみを伝えてくる業者さんは要確認です。

また、調査を依頼すると、調査に労力をかけてくれた業者に断りを入れにくい、という事があります。
しかし、大規模リフォームの場合は、高額なため失敗が許されませんから、
ただ、汗水たらして調査を頑張ってくれたから、と言う理由では決められません。
大規模リフォームの設計・施工のノウハウが少ない会社では不安です。

調査結果を基に、似たような事例への対処方法や、実例写真、
あるいは同規模のリフォームの実物である、施工中の現場を見学させてもらえるなど、
安心できる業者には共通して、経験やノウハウの蓄積・実績があります。

業者選びに失敗しないためには、
現地調査、見積もりを依頼するべき、実績のある業者を選びだすこと、が大切です。

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