リフォームコンパス

古民家リフォームとバリアフリー

古民家のリフォームには克服しなければならない問題がいくつかあります。
その中でも、古民家に住む多くの方が感じているものに、バリアフリーに関するものがあります。
築年数が数十年、または百年以上経過した古い家に住む人は、
やはりどうしても高齢の方が多くなっているのが現状です。
そして、高齢者と住まいの問題において、バリアフリーは避けて通れないところにあるのです。

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古い日本家屋の場合、どうしても床の高さが高く設定されています。
これらも床下に風を通すことによって夏の暑さを軽減させたりするための
建て方の長年の知恵によるものに違いないのですが、
実際に日々そこで生活する人にとっては、玄関から50センチを超えるような段差というのは
どうしても便利だとは言えません。
そこに沓脱石(くつぬぎいし)を置いたとしても、
一般的な階段の段差よりもはるかに大きな段差になっていたりするのです。
いま階段について触れましたが、古民家の階段にはまるで「はしご」であるかのような急な勾配のものも多く、
決して安全・便利だと言えるものではなかったりするのです。
ですから、古民家のリフォームで、快適な住空間を造ろうとすると、
やはりバリアフリーを無視することはできないといえるでしょう。

ただし、問題もあります。
床の段差が大きいのと同時に、昔の住まいにおいては天井の高さが低かったり、
差鴨居(さしがもい)と呼ばれる梁を兼ねた大きな鴨居が1.7~1.8mほどの位置に
どーんと取りつけられたりしています。
これらがバリアフリーをして床の高さを上げたりする場合には大いに問題になってきます。

肝心なのは、どうしてもバリアフリー化をしたい位置・動線はどこなのか、見極めて計画することです。
建具の高さや設備機器の高さを考慮しながら、床をどこまで上げていけるのか、
差鴨居や梁をかわしながら、どこまでの設計ができるのか、
実際に工事に入る前にあらかじめイメージし、提案できるかどうかが
リフォーム会社およびリフォーム会社の担当者には求められるのです。
一般の住宅の多くは、段差とはいっても和室の敷居の高さや、トイレやお風呂などの水まわり
などが上がったり下がったりしているだけで、あちこちに大きな段差がある訳ではありません。
また、極端に天井が低いなどの部分も限られたケースでしかありませんので、
古民家リフォームのバリアフリー工事に比べると、はるかに簡単なのです。
つまり、古民家のリフォームにおいては、設計する担当者の経験と実績が大いに必要となるのです。

古民家に住む人にとって、リフォームを計画するというのは、
まず一般の住宅に比べるとはるかに難易度が高い工事だということを知っておいてください。
その上で安心して工事を任せられる業者・担当者を見きわめていくことが必要です。

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