建て替えと大規模リフォームの違い
建て替えと大規模リフォームの違い
家を建て替えと大規模リフォーム、
どちらにするのかを迷っておられる人が多いようです。
もちろん、どちらが良いということは、
家の状態や環境、希望内容によっても違ってくるので、
一概には言えないものになります。
そこで、
おおまかに、建て替えと大規模リフォームの違いを中立的な立場で記載してみます。
ぜひ、ご参考になれば幸いです。
費用面
建て替えの場合 |
リフォームとの違いという面で大きな要素になるものとしては、
解体費用、構造部分の材料費、仮設費用、そして、その他諸費用となる部分でしょう。
その他諸費用の部分で違う主なものとしては、
建築確認申請費用や測量費、廃材費用などになるでしょうか。
仮設費用というのは、工事を行う為に必要になる仮に設置するものです。
例えば、仮囲いや足場などがそれにあたります。
特に、新築の場合は重機が使われますので、
その為の、運搬費や仮囲い、ガードマンもしっかりとした配置である必要があります。
また、工事中に使う電気の為の分電盤、左官小屋など細かいものが多く必要になります。
これらの部分が建て替えの場合に、
工事見積りという範囲で費用が増える部分になります。
ただ、新築のお見積り以外の費用ということでは、税金面も考慮から外せません。
不動産取得税や登録免許税がかかってきます。
また、固定資産税も大きく変わってくることも考えられまます。
さらに、ローンを組む場合、
その期間が長くなることや金額が大きくなることが多いので、
金利となる部分も大きくなるものです。
お施主様にとって大切になるのは、やはり、トータル費用になると思います。
工事費用以外の費用面についても考慮しておきたいところです。
大規模リフォームの場合 |
大規模リフォームの場合は、
上記の理由から、建て替えするよりは、大抵の場合、安く済むことが多いといえるでしょう。
もちろん、同等程度の仕様にした場合です。
しかし、リフォームの場合で費用面が高くなってしまうものがあります。
それは、人工と言われる人件費です。
やはり、リフォームの方が手間暇がかかる工事が多く存在します。
解体すると想定外のことが起こっていることもよくあります。
その為、日乙の目的に対して行う工事量が増えることが多くなるのです。
その為、人工は新築よりもかさむことになります。
故に、建物状況や工事内容によっては、費用対価値において新築が勝るという場合もあります。
つまり、建て替えの場合も大規模リフォームの場合も、
費用面においては、その家の状況やご希望内容などによって変わってきますので、
築年数が古いから建て替えの方が安くつくとか、
建て替えの方が絶対に高いということは一概には言えないことになります。
プランニング面
建て替えの場合 |
敷地に余裕がある場合や斜線制限に影響を受けない場合などは、
間取りや姿かたちに制限を受けることは少ないものとなります。
大空間のリビングや3階建てにするなど、さまざまなカタチが考えられると言えるでしょう。
ご希望通りの家が出来る可能性が高いのはやはり新築の方と言えます。
但し、敷地面積が限られていて、
建築時当時の建ぺい率が現状では小さくなっている場合や、
築年数が古い建物で敷地に目一杯建てられている場合などは、
現状の家より建築面積が小さくなり、
稀に、現状2階建ての家を3階で新築する場合、
総面積が小さくなってしまうということもあるのです。
その場合は、必ずしも希望通りの間取りにならないこともあり得ますので、
事前に考えておきたいところです。
大規模リフォームの場合 |
プランニングについて、リフォームの場合はやはり大きなポイントとして、
建物が何造なのかによる部分が大きくなります。
例えば、
木造2階建て住宅であれば、
間取りプランは制限される内容は少なくなります。
もちろん、通し柱は撤去出来なかったり、耐震壁の配置の関係で窓が作れないなど、
多少の制限は出てきますが大まかには出来る事は多いでしょう。
しかし、2×4や鉄骨、RC造、木造3階建てなどは、
構造計算されて建築されていますので、
その構造体を触る際には、再度、構造計算を行い設計をしなければなりません。
その上での計画が必要になりますので、
制限される内容は多くなると言えます。
申請面
建て替えの場合 |
新築になりますので、建築基準法上、建築確認申請を行い許可を得なければなりません。
その上で、完成後に検査を受けて検査済証を受ける義務があります。
また、民法も多くの場合関係します。
境界からの建物の距離などです。
その為、境界をしっかりと確定しなければなりません。
昔からある家を建て替える場合、この境界ポイントが無く、
トラブルになってしまうことがありますので、事前にしっかりと確定しておきましょう。
大規模リフォームの場合 |
基本的には、建築確認申請の義務はありませんが、
増築する場合や3号建築物(鉄骨、RC造、木造3階など)の主要構造部の過半の修繕の場合は、
申請を行なければならないことがあります。
特に、増築というのは床面積が増えることでもありますので、
1階のガレージをお部屋にするとかはね出しのベランダの下を部屋にするなども増築に当たります。
そして、増築する部分が10㎡を超えると申請しなければなりません。
また、防火、準防火地域では面積に関わらず増築する場合は申請義務があります。
この申請を行う義務がある工事で申請を怠ったり、検査済証を受けなかったりすると、
違法建築物になりますので注意が必要です。
構造面
建て替えの場合 |
建て替えの場合は、やはり、最新の基準を満たす建物になりますので、その安心感は高いと言えます。
設計から行政のチェックもあり、基礎や骨組などすべて一新されますので、
構造面において不安材料はありません。
もちろん、施工品質が保たれていることが前提になりますが、
リフォームとの比較という面では同じになりますので、
ここでは、これについては説明を省略しておきます。
大規模リフォームの場合 |
構造面において、気になるのはリフォームの方でしょう。
よく築年数が経過していて、新耐震基準以前の建築の建物は建て替えるべきとの意見もあります。
しかし、これも一概には言えないものだと言えます。
特に、木造の場合は耐震補強技術が浸透してきて、
現基準を満たす建物に補強出来る会社が多くなってきています。
中には、耐震補強を行った住宅で、
大地震でも全壊した住宅が1件もないという実績があるリフォーム会社もあります。
そして、各行政も耐震補強の助成金を用意しているところが多くあります。
もちろん、その場合は新耐震基準以前の建物であることが条件になっていますので、
築年数が経過していても、即建て替えが必要との解釈にはならないものです。
そういう意味では、築年数が経過している家でも再生の可能性は大きくあると言えます。
但し、基礎や多くの骨組はそのまま使われますので、
ほとんどの構造体が腐食しているなど、老朽化が激しい場合は、難しいことになります。
もちろん、それさえも補強することが出来ますが、
すべての部材を補強するとなると、費用面において現実的では無くなりますので、
その場合は、建て替えた方が良いことになるでしょう。
つまり、築年数だけで判断せずに、実際の状態によって判断することが大切です。
必要期間
建て替えの場合 |
やはり、リフォームと比べると、考え始めてから工事が完了するまで長い期間が必要です。
工事期間が長くなることはもちろんですが、
特に、申請期間が必要になることが大きいでしょう。
時には、申請後すぐに許可が出ず、何度かやり取りを必要とする場合もあります。
また、境界が確定していない場合は、測量して境界ポイントを設定する必要があります。
その際に、境界に関係する所有者とのやり取りがスムーズにいかない場合は時間がかかる事も考えられます。
また、解体工事期間や基礎の養生期間もある為、
工事期間もリフォームと比較すると長くなります。
大まかですが、具体的に検討してから1年以上はみておく様にしたいところです。
大規模リフォームの場合 |
特に、増築などが無い場合は、建築確認申請が必要になりませんので、
半年くらいを視ておくと良いでしょう。
工事を依頼するリフォーム会社を決定するまで2~3か月、
契約してから工事が始まるまで2か月、
工事期間に1~3か月、といったところでしょうか。
もちろん、建物や工事内容によっても変わります。
リフォーム会社の進め方はさまざまですので、
検討してから契約までや契約~着工までの期間などは変わってきますが、
トータルでは半年くらいが一般的になります。
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