建て替えよりも大規模リフォームを選ぶ理由
建て替えよりも大規模リフォームを選ぶ理由
大規模リフォームやリノベーションという言葉は、今でこそよく耳にするようになりましたが、
元々はあまり登場する言葉ではありませんでした。
木造建築が住宅の主流となっている日本の建築事情として、
20~30年で建て替えるべき、といういかにも建築業者主体の考え方が広く浸透していたからかもしれません。
ところが、近年は建て替えに代わる選択肢として、広く浸透してきた感があります。
今回は大規模リフォームを選ぶメリットについて、ご紹介したいと思います。
1 コストが安くつく |
建て替えの費用を考えるときに、真っ先に目についてしまうのは家の建物本体価格です。
坪単価で比較されることも多い、この住宅の価格ですが、
実は建て替えをする場合には、これだけでは済みません。
例えば解体費用。
初めて住宅を購入しようとする場合には
中古住宅を除いて必要のないものではありますが、現在住んでいる家を計画する場合などには
必要になってきます。
この解体費用が実はどんどん高くなっているのです。
原因は産業廃棄物の処分費が値上がりしていること。
分別して再資源化したりするのにはその分手間がかかりますし、
限られた場所にしかない最終処分地も費用がかさみます。
今後産業廃棄物処分費が大きく下がるということは考えにくい状況ですから、
これからも高くなっていくものと考えておいた方が良いでしょう。
こうした解体・処分費用が1軒まるごと解体する場合と、部分的に考える場合とで異なってきます。
さらに、建て替えと違ってリフォームする場合には、基本的に構造躯体を再利用していきます。
問題がある場合は別として、基礎や柱・梁など、比較的費用のかかる構造部分をそのまま使うことが
できるのは間違いなく利点だといえるでしょう。
(ただし、問題があるかないかをきちんと見きわめて提案してもらうことが必要です。)
また、新築時に考えなければならない費用としては、そのほかに
地盤改良費用・水道本管の敷設費用・お庭や門・ガレージなどの外構費用・登記費用・税金など
本体価格には含まれていない「諸経費」と呼ばれる費用が数百万単位で必要になることがあります。
一方、リフォームの場合には、大規模になれどもそのまま使える場合も多く、
余分な費用を抑えることができると言えるでしょう。
2 思い出を残すことができる |
家というのは、単なる箱ではありません。そこでの日々の暮らしが記憶の中に刻み込まれ
思い出として残されていきます。
「思い入れなんて全然ない」という場合には関係ないかもしれませんが、
例えば「おじいちゃんが建てた家」を大切に思う人がいるのは不思議なことではありません。
家族の歴史が長く、古い家になればなるほど、愛着も湧くものでしょう。
とはいえ家の傷みは進行しますから、何らかの手だては必要なのですが、
こうした場合にはやはりリフォームの魅力が全面的に出てきます。
3 ケースによっては住みながらもできる |
全面的に間取りを変えるような場合を除いて、リフォームの場合には住みながら工事をすることもできます。
その間の荷物の問題や、住みながらする工事に慣れている業者かどうかという注意点はありますが、
仮住まいをしなくても良いということは、先ほどのコストの部分ともリンクしてきます。
一定期間とはいえ、新しい場所で生活することには、意外に抵抗をもつ人も多いもの。
できるだけ環境を変えずに工事をするという点では、メリットにもつながると言えるでしょう。
4 こだわりを実現しやすい |
もちろんこれは、新築・建て替えの場合にこだわりを持てないということではありません。
ただし、新築のときには家の形やスタイルという大きな枠で仕様を決めていく傾向にあります。
自由度が高いということはあるのですが、細部にこだわった仕上がりというよりは、
全体の調和に視点が行きがちになるのです。
リフォームの場合には、そこに住んでいる、住んでいたというケースが多いため、
問題点は実は明確になっていることが多いのです。
そして、その問題点を解決するために、リフォーム会社の人は一生懸命提案してくれることになります。
結果的に、「素敵な暮らし」を求める新築に対して、リフォームでは「暮らしを良くする」というところに
主眼が置かれます。
工事の後にどちらが満足度を得られやすいかという点では、もしかするとリフォームの方が上かもしれません。
5 工事期間の短さ |
建て替えの場合には解体に始まり、地盤改良や杭工事などの工事が必要になることがあります。
そして地盤の強度がしっかりと保たれた後に、はじめて基礎工事に入ります。
基礎コンクリートは一部を除いて現地で施工されるのが通例です。
生コンクリートを現場で型枠に流し込み、固めて造っていくのです。
本来であれば、強度がしっかりと確保されるまで、養生期間と呼ばれる「固まらせる期間」があります。
これらのプロセスをきちんと実行していくとなると、やはりリフォームよりも長い期間が必要です。
6 法的な問題 |
実は建て替えをしようとすると、家が元の形よりもひと回りもふた回りも小さくなってしまうことがあります。
これは行政が地域ごとに定めている用途地域と呼ばれる地域ごとの建築規制の中にある
建蔽(ぺい)率・容積率が問題になります。
建築基準法以前の建物であったり、その後届け出をせずに増築行為をおこなったりした場合、
現行の建築基準法の規制よりも大きな建物が建てられていることはとても多いのです。
もちろん、確認申請と呼ばれる役所への建築事前申請が必要なリフォームの場合には
同じように制限を受けますが、リフォームの多くは届け出の必要がないことが多く、
柔軟に対応できる可能性があります。
以上、主だったところを書き出してみました。
もちろん、状況によってこれらのメリットもメリットでなくなることもありますが、
建て替えにはない魅力も秘めていることがお分かりいただけたかと思います。
実際に打合せをしながら進めていく段階で異なる要素もあるかもしれませんが、
十分に検討して、後悔のない住まいにしていただきたいと思います。
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