古民家のような古い家の場合、
その歴史も相まって親せきや集落の集まりなど、来客の多いケースが多いように思います。
一般の住宅で来客の多い家の場合、応接間が用意されていて、
お客様にはそこで応対されたりしますが、
古民家の場合はつくりそのものが、いわゆる応接間が用意されていることの少ない家になります。
ですから来客時には、万能の「座敷」が用いられて来ました。
座敷は、それこそ結婚式からお葬式まで、様々な催事に用いられ、
来客もそこでもてなすことが出来るようになっているのです。
昨今は、暮らしの変化とともに、来客のためのスペースの必要性は減ってきているとはいえ、
比較的大きな家の多い古民家の場合には、
それでも尚訪れる人のために部屋を用意しておかなければ
いけないことがあります。
そういった意味もあって、家全体をリフォームしたとしても、座敷をそのまま残される方が多いのでしょう。
しかし、座敷を残してその周りの間取りを全体的に変えてしまうと、
座敷に行くまでに、お客様が家族の集まる場所を通り抜けていくなんていうことにもなりかねません。
スペース上の問題がありますので一概には言えませんが、
家族用の動線と来客用の動線をきちんと分けておいてあげた方が間違いなく良いでしょう。
廊下をつくるだけではなく、外からアクセス出来る別の入り口を用意するなど
工夫次第で上手に来客に対応できるようになる可能性があります。
そこに住む家族のことを優先して間取りを検討するのは良いことではありますが、
来客の多い家の場合には、動線の整理もまた、重要になってくるのです。
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