建てられてから何十年、何百年と経った家は、それだけ家族の歴史を見つめてきたということになります。
昔の人は皆、家で結婚式もお葬式も執り行いました。
親族は一同に会し、そこで儀式も宴会も繰り広げられます。
お勝手では女性陣が食事の支度に大わらわ。
そんな風景がそれぞれの古民家で見られたものでした。
多くの人が集まるからと、部屋の間仕切りは襖や障子で取り外しができるようになっており、
来客に対応できるよう、たくさんの座布団やお膳が仕舞われていたものです。
時代によって少しずつ変化はあったと思いますが、概ね変わらない文化がそこにはあったと思います。
ところが、近年の変化は激しく、
古民家での暮らしにもその波はやってくるようになりました。
結婚式もお葬式も家でおこなう家庭は減り、法事ですら外で済ませることが増えました。
寄り集まっていた親族たちは高齢化し、なかなか集まることもできないようになることもあります。
年に一度、畳を上げて大掃除をするご家庭も減っているようです。
人々の暮らしに柔軟に対応してきた古民家は、
ともすれば今ではただの「住みにくい家」になってしまっているのです。
しかし、何十年・何百年と家を支えてきたその家の柱や梁は、
実は今ではなかなか入手できない貴重な木材だったりします。
(現在の林業は木を過度に大きく育てることが少ないためです。)
そして家族を見守ってきてくれた、大切な存在でもあるでしょう。
「住みにくくて古い家」を思い出とともに新しい暮らしに適合させるのは
建て替えではなくリフォームでこそ実現できる方法です。
「住む人の想い」を汲み取り、実現させてくれるパートナーとの出会い…
そこにこだわることで、意味のあるリフォームを実現させることができるかもしれません。
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