古民家のリフォームを考えたときに、よく心配されることのひとつに
柱の傾きが挙げられます。
何十年、場合によっては何百年と経った木造の建物ですから、
まったく傾いていない、という家はほとんどないと言っても良いでしょう。
それは単に大工さんの腕がどうか、という問題だけではなく、
その土地の地盤そのものが固いのかどうかによっても違いますし、
近くに大きな車の通る道があれば、常日頃から振動を受け続けることになりますから、
それういったことも影響がないとは言いきれません。
どこか、多少の差はあれ、古い家には傾きがあると考えておいた方が良いでしょう。
では、その傾きに対してすべて修正するべきなのかというと、
これがなかなか難しいのが現実です。
何十年もの時間をかけて少しずつ傾きを生じた家を、一度に外から力を掛けて変形させようとすると
別のところに歪みを生じる可能性もあります。
また、力を加えることで土壁などが剥離し、必然的に大工事になってしまうことが避けられません。
そういった意味で、ある程度の許容値とみなされる範囲の傾きであれば
実際にはそのままの状態で、それ以上傾きを増さないように対策を施し、
仕上げ部材は当然水平垂直を出して、リフォームしていくというのが最も一般的だと言えるでしょう。
しかし、中には部分的に地盤が沈下するなど、
一部分や特定の方向に向けての傾きが顕著にみられる場合があります。
こういった場合には、柱などの構造部材を全体的にもち上げたりして傾きを修正するケースがあります。
工事そのものが専門的な業者での対応になることがありますが、
根本的な治療を施して、家をより長持ちさせようということになるのです。
いずれにしても、今現時点で家がどれぐらい傾いているのかを知っておくことは重要です。
ですから、そういったところまであらかじめ調べてくれる業者がやはり安心ですし、
きちんと調べてくれる業者からこそ、適切なアドバイスも受けられると考えて良いでしょう。
古民家のような古い住宅は、一般の木造住宅とは異なる部分もあります。
技術的な分野でも古民家の経験豊かな、しっかりとした業者を選んで
計画を進めていくことが大切だと言えるでしょう。
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