現代の和室においても見られますが、
古民家においては今よりも頻繁に縁側・広縁が設けられていました。
そこには、奥へと続く廊下の役割であったり、畳が日に焼けることを防ぐはたらきであったり、
外との間での温度調節の機能があったりしました。
また、田舎の方ではご近所の人々は皆、玄関よりも縁側から声を掛け、出入りもしていたものです。
しかし、家の大きさで価格が決まる現代の住まいではその廊下的なはたらきも減少し、
今ではそこに行くためには和室を通らなければならなくなったりしてきました。
気軽に立ち寄るご近所さんの来客も減り、縁側の役割は失われつつあるのかもしれません。
ところが、その一方で、縁側を外部と家の中との中間領域ととらえ、
積極的に利用していこうとする人もいます。
庭の景色や季節の移ろいをもっとも感じられる場所、それはこういう外と中の間の
中間領域になるのかもしれません。
古民家リフォームの際にもこの縁側をどうするか、というので
プランは大きく変わることがあります。
合理化一辺倒の住まいも住みよいのかもしれませんが、
空間的に余裕の感じられる間取りというのも、ひょっとすると落ち着いた空間づくりには必要になるのかもしれません。
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